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14年ぶり再稼働が5時間で終わった原発の舞台裏

5分で解説

目次

3行まとめ

  • ・柏崎刈羽原発6号機は14年ぶりの再稼働直後に警報トラブルが発生し、部品交換でも状況が改善しないため再び停止措置が取られました。
  • ・30年間見過ごされた設定ミスや相次ぐ同領域での不具合は、単なる故障ではなく設計や監視システムに関わる深刻な問題を暗示しています。
  • ・原因未特定のまま停止した判断は東電の技術力や管理体制への疑念を深め、今後の運転許可やスケジュールに影響を与える可能性があります。

本文

東京電力は21日午後7時2分、柏崎刈羽原発6号機を14年ぶりに再稼働させましたが、わずか5時間後の22日午前0時28分にプロセスが中断される事態となりました。制御棒引き抜き作業中に警報が発報したためです。当初は制御棒操作盤内の電気部品の不具合と判断され交換が行われたものの、状況は改善しませんでした。その結果、東電は原因調査に時間がかかると判断し、22日午後3時半に原子炉を停止することを決定しました。

この停止決定に至る背景には、1月17日に発覚した設定ミスへの対応直後という緊迫した状況があります。17日の制御棒試験において、鳴るべき警報が鳴らない不具合が発生し、調査によって205本中88本の制御棒で設定ミスが確認されました。このミスは6号機が1996年に運転を開始して以来、30年間も見過ごされていたものです。本来鳴るべき警報が機能せず誤って制御棒を引き抜いた場合、予期せぬ核分裂の連鎖反応が続く臨界状態に至る危険性があり、核分裂反応の制御に関わるもっとも基本的な安全機能の問題といえます。東電は18日に設定を修正し、21日の再稼働にこぎ着けたばかりでした。

再稼働の矢先に発生した今回のトラブルは、単なる部品不良にとどまらない深刻な懸念を示唆しています。電気部品の交換で現象が改善しなかった事実は、設計や監視システム全般に関わる問題の可能性を暗示しているからです。制御棒の操作監視系は原子炉を停止させるためのもっとも重要な安全装置ですが、昨年6月と8月にも制御棒関連のトラブルが相次いでおり、同じ領域での問題が繰り返されています。これに対し技術委員会の委員も、決して軽視できる問題ではないと指摘し、同じ領域で連続して起きたことはもはや個別の話ではないと警告しています。

原因が特定されないままプラント停止を選択せざるを得なかった東電の判断は、技術的対応能力に対する疑念を深める要因となっています。設定ミスが長期間見過ごされていた管理体制、対応後すぐに不具合が生じた点検の実効性、そして部品交換で解決しない現象の原因追跡能力など、複数の側面で課題が浮き彫りになりました。現状、原子炉自体は安定しており放射性物質の漏えいはないとされていますが、2月下旬に予定されていた営業運転開始スケジュールが遅延する可能性は高いでしょう。今回の原因を徹底的に究明し、根本的な対策を提示できるかどうかが、柏崎刈羽原発の今後の運転許可判断を左右することになります。

元ネタ

東電が柏崎刈羽原発6号機を停止へ 警報トラブル発生し原因調査に時間かかると判断



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