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目次
3行で要約
- ・対話型AIの直感的な操作性がデジタル活用の障壁を取り払い、シニア女性を中心とした層が生活相談の相手としてAIを積極的に選択し始めています。
- ・携帯電話大手が提供する講座には多くの受講者が集まり、画像生成や外出支援など具体的な生活課題の解決に役立てられている実態が報告されています。
- ・官民連携による普及活動が進む一方で、リテラシーの定着やセキュリティへの意識向上といった新たな課題への対応も必要とされています。
本文
デジタル活用は若年層中心という従来の前提が、AI技術の普及によって根本的な転換期を迎えています。対話型AIが高齢者に受け入れられている最大の要因は、操作の容易性にあります。キーボード操作や複雑なメニュー画面を必要とせず、人間と会話するような自然なテキスト入力や音声入力で指示ができるため、デジタル技術への苦手意識という障壁が大幅に低減されるからです。この技術的な親和性が、世代間のデジタルリテラシー格差を緩和する機能を果たし始めています。
実際、シニア層が生活課題の解決手段としてAIを積極的に選択している実態は、各種調査データからも明らかです。MMD研究所の調査ではAIサービスの利用経験者が全体で35.7パーセントに達しており、その内訳はAI検索機能が最多となっています。特筆すべきはHelpfeel社の調査結果であり、日常の相談相手としてAIを選ぶ割合において、60代以上の女性層が突出した数値を記録しました。献立の相談では83.3パーセント、金銭や資産形成の相談では80パーセント、店舗探しでも66.7パーセントがAIを選択しており、シニア女性がAI活用における先進層として機能していることがわかります。
こうした潜在需要に応えるため、携帯電話大手は市場戦略として教育機会の提供を強化しています。ソフトバンクは令和6年10月からgeminiやperplexityなどの生成AIに特化した講座を開始し、2025年1月時点で受講者数が1万人を突破しました。現場では、74歳の男性が音声入力を駆使してプロ野球のユニホームを着たシバイヌの画像を生成し、即座に待ち受け画面にするなど、実用的な楽しさを体感しています。また、KDDIの講座に参加した72歳の女性は、初詣の計画に際してAIから急な階段への注意喚起を受け取るなど、身体的制約に配慮した回答を得ており、単なる検索を超えた価値を実感しています。
これらの一連の動きは総務省の利用者向けデジタル活用支援推進事業の一環でもあり、官民が連携してリテラシー向上に取り組む体制が整いつつあります。一方で、講座で得た知識が実生活で定着するか、セキュリティやプライバシー保護、著作権に関する認識が十分に浸透するかといった課題も残されています。福祉や地域社会への波及効果を含め、AIへの依存や人間関係の変化といった副次的な影響についても、継続的な検証が求められる段階にあります。
元ネタ
「会話をするように使える」AI講座がシニアにも人気 画像生成や回覧板作成に挑戦

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